オデッセイという映画が好き

神西です。


僕はオデッセイという映画が好きです。

2015年の新しめの映画で、火星に取り残されたNASAの宇宙飛行士である主人公が、植物学の知識を活かして、一人生き残りを模索する、という話。マット・デイモンが主演なので見たことある方も多いかと思います。

この映画の主人公は、ずっと肩の力を抜いているように見える。そこが良いんですよね。

火星で孤立無援、食料も酸素も限られて、居住スペースが吹き飛んだら死ぬしかない状況で、船長が置き忘れたディスコミュージックをかけながら風呂上りにビデオ日誌をつけて、ジャガイモの新芽に挨拶するんですよ。

どんな窮地でも、気の持ちようで人は生きていける。健全な精神を保つことが出来る。主人公マーク・ワトニーのあり方は、地球にありながら孤立無援に陥ることのある現代人に大いに勇気を与えてくれるな、と思います。孤独を感じたら見ましょう。


さっきも触れましたが、ディスコミュージックのシーンは文面的にも僕は大好きなので、実際に引用したいと思います。ワトニーが火星に取り残されてしばらく後、NASAがワトニーが生きていることに気づき、皆呆然としながらワトニーを思いやるシーン――そこから一連の流れが始まります。


シーン:NASA

職員「彼の苦しみが想像できるか?地球から八千万km離れた星で一人、見捨てられたと思ってる。心理的にどんな影響が?今どんな思いでいる」

シーン転換:火星

ビデオ日誌を撮るワトニー「僕はここで死んじまうぞ!」

「ここでこんなクソダサいディスコミュージックをこれ以上聴いたら・・・」

(陽気なサウンドが室内を満たしている)

「ルイス船長、なんで今世紀の音楽を持ってこなかったかなあ・・・」

ディスコミュージック『ビートを回して~♪』

ワトニー「いや。僕はビートを回したりしない。断固拒否する」


職員の心配をよそに、彼はダサミュージックと会話して、文句を言ってる。笑えるし、尊敬もしてしまいます。


この映画は、僕がちょうど『東京タワー・レストラン』のプロットを見直しているときに見た映画でした。

そしてまず思ったのが「僕の小説っぽいな」ということ。ノリが近いなという印象を受けたし、こういう動じないで小ボケを一人で続けていられる主人公というのは、以前僕も書いた覚えがありました。僕の小説は青年一人称になるとだいたいこの雰囲気が出る。

だったら、今書いている主人公もこの方向性で行けないだろうか。

そう考えてリメイクし、最終的なサジタリ像が出来上がったのでした。

(彼ははじめ主人公ではなかったのですが、彼が主人公の方が「僕の小説っぽい」ということに気づき、そうした。そしてそのことに気づかせてくれたのが『オデッセイ』というわけです)


ので、僕にとっては作家としても、人間としても、無視できない影響を受けた映画です。

僕は一度見た作品を再び見ることはあまりしないのですが、オデッセイはこれから死ぬまで何回も見返すだろうなあ。


そういえば、これは偶然なのですが、今期から始まるアニメにSKET DANCEの篠原 健太先生漫画原作の『彼方のアストラ』というものがありまして、これが宇宙実習に出た学生9人が遭難し、地球への帰還を目指すという内容で、今日話したオデッセイと似たタイプのSFなんです。

昨日一話を見ましたが、とても面白かった。設定に奥行きを持たせるのが上手くて、いくらでもエピソードを作れる箱庭だなーと期待が持てる印象。続きも楽しみです。

http://astra-anime.com/




神西




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仮のポータルサイトとして活用予定。

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