自己紹介その2

神西です。

前回の投稿が二月三日だそうです・・・時空の歪みというものが存在する証拠ですね。国主導で対処していただきたいです。


さて今回も一か月半前の続きで、自己紹介です。

前回は、私がおよそ小説家らしくないという話をざっくりさせてもらいました。小説家らしくないというより、小説家になりそうもない人生、といった方が正しいでしょうか。

ではそんな私がなぜ小説家になったのか。

きっかけはほんの些細な出来心からでした。

元々私は音楽関係の道を目指したくて、作曲活動などをしていたのですが、どうにも日の目を浴びず伸び悩んでいて、現状を打開したい欲に飢えていました。

とにかく新しいことをやって、この閉塞空間に風を通したい。風通しの良い環境で新鮮な気持ちでリスタートしたい。

そう思った私の目に留まったのが、小説賞の小さな広告。

そうだ。小説という新しいフィールドで表現してみよう。賞に応募するなら、目標もあって、区切りもあって、さらにはあわよくば賞金も手に入るぞ。

そんな出来心から、小説を書いてみよう、という意気込みが生まれたわけです。


しかし書こうとは思ったものの、書き方がわからない。本当にやったことがないことって何もわからないものです。一話分三万字くらいの短編は昔一度書いたけれども、書籍サイズの長編小説となるとその四倍ほどのスケール感になるし、もっと緻密さが必要になってくるのでは?舞台設定はどうしよう。書き出しはどうすればいいのか。

だめだ、このままじゃ書きようがない。そう思った私は、ひとまず「小説を書く練習」をすることに決めました。とにかく起承転結と文章表現に慣れないといけない。だからこれから先一ヶ月間、毎日ショートストーリーを書こう。どうせ書くなら、書いた証拠として公開しよう。評価やアドバイスが入ってくるかもしれないし。

そう思ってGoogleで「小説 投稿」と打ち込み、一番上にあった「小説家になろう」というサイトに登録、毎日投稿を始めました。

私はわりと不真面目で怠け者なのですが、音楽で行き詰っていた分、執筆という新しい表現方法は思いのほか新鮮で楽しく、毎日投稿は途切れることなく続きます。もちろん、無名の人間が、「文芸」や「青春小説」などの、サイトの主流からはずれたカテゴリで小品を投稿して、突然人気が出るなんてことはあるはずもなく、閲覧数は20~30、運が良いと評価が一つ二つ、といったレベルです。とはいえ私としては充分な戦果を感じていましたし、たまに感想をもらえたりするととてもうれしかった。こんな僻地を覗いて気に入ってくれる人がいる。その事実をモチベーションにして、投稿を続けます。

二週間以上経過し、十四本以上は書いたある日、サイト経由で私宛にメールが来ました。差出人の肩書に「新潮文庫」とあります。本文には一度会って話したいとの文字。

どう考えても自費出版詐欺というやつですねこれは。先ほども書きましたが、閲覧数20、30ですから。

しかし良い人生経験になるな。詐欺を詐欺と知って体験できるなんて滅多にない。貴重でユーモラスだ。「創作のための新鮮な体験」への飢えから、私はメールに返事をしました。すると打ち合わせ場所になんと、新潮社の本社を指定されたのです。そういえばよく見ると、メールアドレスにも新潮社っぽい感じの名義が入っている。


これはいったい?


とまあ、こういうきっかけで、私の人生は大きな転機を迎えた、というわけです。

ここからまたさらに小説家への道程は険しく続き、一所懸命書いて何とか小説家になったわけですけども、長くなったので今回はここまで。

次回は別の関係ない話をするかもしれません。なんだか自分語りしすぎて恥ずかしくなってきたので。

神西



神西亜樹 Official Web Site

仮のポータルサイトとして活用予定。

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